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2010年:日常診療における創傷管理の留意点 (第19回 中部小動物臨床研究発表会)

〈要約〉
 湿潤環境下での創傷治癒理論に基づいた様々な創傷治療用被覆材・薬剤が入手可能になり、湿潤療法として取り入れられ、日常診療における創傷管理の仕方は大きく変貌を遂げている。しかしながら、これら被覆材・薬剤の多くは安価とは言いがたく、ペットオーナーの負担も少なくないため、創傷治癒のステージ、治癒転機の見極め、またその時点での適切な創傷管理方法を選択することが重要である。


Key words:湿潤療法、創傷管理、犬、猫


 近年、創面の清浄化、感染のコントロールにおいて用いてきた消毒薬や創傷患部を乾燥させることによる被覆法が創の治癒阻害・遅延の要因であることが一般にも認知されつつある。またそれらと並行して湿潤療法理論に基づいた様々な創傷被覆材・薬剤が入手しやすくなっているが、コスト面などからもその全てを取り入れ、使用することは困難である。今回、外傷、術創などの新鮮創、褥創など日常診療時に遭遇する様々な創傷管理に関して当院で留意している点について報告する。