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2015年:ウイルス感染症に対するペグインターフェロンα-2aの使用例 (第24回 中部小動物臨床研究発表会)

〈要約〉
 ペグインターフェロンα-2aはインターフェロンα-2aをPEG化し生体親和性の向上および体内での持続時間を延長したものである。インターフェロンαはωと同じくⅠ型に分類され、種特異性が低い。獣医療においてウイルス感染症に対し従来主に用いられているインターフェロン製剤はネコインターフェロンωであるが、投与回数、体外への排泄時間等の課題から更なる臨床症状改善、臨床症状発現予防を期待して、従来ネコインターフェロンωを用いて治療を行っていた症例にペグインターフェロンα-2aを用いることとした。結果、多くの症例でより速やかな臨牀症状の改善・発現予防、食欲、体重の増加等QOLの改善が得られた。

Keyword:ペグインターフェロンα-2a、犬、猫、ウイルス感染症

 ペグインターフェロンα-2a(以下PEGINF-α-2a)はインターフェロンα-2aをペギュレーション(以下PEG化)し生体親和性の向上および体内での持続時間を延長したものである。今回、主にウイルス感染症に対し組換え型ネコインターフェロンω(以下R-FINF-ω)を用いていた治療をPEGINF-α-2aに置き換えて行った。当院では2005年よりPEGINF-α-2aを用いた治療を行っているが、現時点で目立つ副反応はなく、多くの症例で臨牀症状のより速やかな改善や、より長期の臨牀症状発現予防といった結果が得られている。やや主観的な判断はあるものの従来のR-FINF-ωを用いた治療成績を上回るものであった。