〈要約〉
猫免疫不全ウイルス(FIV)および猫白血病ウイルス(FeLV)の単独もしくは共感染した猫17例に生存率の増加、臨床症状の改善、キャリア症例における臨床症状発現予防を期待してペグインターフェロンα-2a療法を行った。結果、多くの症例で食欲、体重の増加等QOLの改善が認められ、一部臨床症状の改善が得られた症例もあった。
Key words:猫、FIV 、FeLV、ペグインターフェロンα-2a
ポリエチレングリコール(PEG)の末端をタンパク質や医療器具表面に結合させ、生体親和性を向上させる試 みはペギュレーション(PEG化)として、近年注目されている。ペグインターフェロンα-2a(以下PEGINF-α-2a)はインターフェロンα-2aをPEG化し生体親和性の向上および体内での持続時間を延長したものである。 今回、レトロウイルス感染猫の生存率および臨床症状改善効果を期待して国内、欧州で行われていた遺伝子組換え型ネコインターフェロンω(以下R-FINF-ω)を用いた治療をPEGINF-α-2aに置き換えて行った。2005年10月よりPEGINF-α-2aを用いた治療を行っているが、現時点で死亡例はなく、多くの症例で一般状態の改善が得られ、僅か17例ではあるがR-FINF-ωを用いた治療成績を上回るものであった。
Key words:猫、FIV 、FeLV、ペグインターフェロンα-2a
ポリエチレングリコール(PEG)の末端をタンパク質や医療器具表面に結合させ、生体親和性を向上させる試 みはペギュレーション(PEG化)として、近年注目されている。ペグインターフェロンα-2a(以下PEGINF-α-2a)はインターフェロンα-2aをPEG化し生体親和性の向上および体内での持続時間を延長したものである。 今回、レトロウイルス感染猫の生存率および臨床症状改善効果を期待して国内、欧州で行われていた遺伝子組換え型ネコインターフェロンω(以下R-FINF-ω)を用いた治療をPEGINF-α-2aに置き換えて行った。2005年10月よりPEGINF-α-2aを用いた治療を行っているが、現時点で死亡例はなく、多くの症例で一般状態の改善が得られ、僅か17例ではあるがR-FINF-ωを用いた治療成績を上回るものであった。