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2016年:活性型ビタミンD誘導体含有軟膏の誤食により高カルシウム血症を呈した犬の1例 (第25回 中部小動物臨床研究発表会)

〈要約〉

 振戦、多飲多尿、元気消失を主訴とする5歳のミニチュア・ダックスが来院。オーナーの稟告より、活性型ビタミンD3誘導体(マキサカルシトール)含有軟膏の誤食によるビタミンD中毒に起因する高カルシウム血症によると診断し輸液、ループ利尿剤による治療を行った。


Keyword:高カルシウム血症、活性型ビタミンD誘導体、マキサカルシトール、誤食、犬


 高カルシウム血症の原疾患には、腫瘍随伴高カルシウム血症、原発性上皮小体機能亢進症、腎性続発性上皮小体機能亢進症、副腎皮質機能低下症、ビタミンD中毒などがある。今回、活性型ビタミンD3誘導体(マキサカルシトール)含有軟膏の誤食によるビタミンD中毒で高カルシウム血症を呈した犬が来院。輸液および利尿剤治療により良好に経過したので、その概要を報告する。