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2005年:創傷管理に被覆材を用いた猫の3例 (第14回 中部小動物臨床研究発表会)

要約〉
 壊死、感染を伴い皮下組織や筋層および骨の露出が認められた創傷に種々の被覆材を用い、湿潤環境を保った状態で創の管理を行った。また今回、創面への消毒、抗生剤の局所投与は行わず、抗生剤の全身投与のみとしたが、各症例とも良好な治癒結果が得られた。

Keywords:被覆材、湿潤環境、消毒

 創傷管理において創傷面の湿潤状態を保つことは大切である。現在、湿潤環境下での創傷治癒(モイストウンドヒーリング)理論に基づいた様々な創傷被覆材が入手可
能である。また創面の清浄化、感染のコントロールにおいては感染源を取り除くことが重要であり、消毒薬の使用に関しては、組織障害などのディメリットがあるためその是非が問われている。今回様々な被覆材を試行錯誤しながら使用した。洗浄は水道水、乳酸化リンゲル(以下LR)でおこない、消毒薬、抗生剤の局所投与は用いなかったが各症例とも良好に経過したので、その概要を報告する。