〈要約〉
犬や猫において、性ホルモンが関与した皮膚症状として記載された教科書は少なくないが、性ホルモンの視点に立った皮膚疾患の病態や発生機序、また性ホルモンの皮膚レセプターへの作用機序に関して記載されたものは少ないと思われる。今回、慢性かつ難治性の皮膚病変を伴う中~高齢の雄犬に対しエストラジオール(以下、E2)の測定を行った。結果、各症例とも※基準値を上回る高値を示したため性腺摘出(去勢手術)を行った。各症例とも除外診断が不完全ではあったが、術後皮膚病変の顕著な改善が得られたので、その概要を報告する。
〔※エストラジオール(E2)基準値:雌25~62(黄体期75以上)pg/ml、雄15pg/ml以下〕
Key words:雄犬、性ホルモン、エストラジオール、皮膚
Key words:雄犬、性ホルモン、エストラジオール、皮膚